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そして、ねずみ女房は星を見た
-大人が読みたい子どもの本-
清水眞砂子 著 本書には13篇の「子どもの物語」が紹介されています。著者の深い洞察力と暖かい眼差しによって、これらの物語から〈生きる勇気と叡智〉を汲み取ってください。いつの世でも、生きていくことは難しいけれど、生きることの素晴らしさは、自分と他人を信じて、平凡な日常をしっかりと送っていくことではないでしょうか。 子どもの本には、そのような登場人物や、また、自分を信じ他人を思いやることができるようになる手がかりが、たくさん盛り込まれています。黙々と平凡な日常を暮らす人々への愛情と信頼が伝わり、胸が熱くなってきます。 清水眞砂子(しみず・まさこ) 1941年、北朝鮮生まれ。児童文学翻訳家・評論家。前・青山学院女子短期大学教授。 ごきげんいかが がちょうおくさん=ユーモア―冷笑ではなく(ミリアム・クラー ≪お知らせ≫ 「新文化」、「静岡新聞」、「讀賣新聞」(川上弘美氏)、「読書人」(西村醇子氏)、「赤旗」(広瀬恒子氏)、「Sankei WEB」(野上暁氏)など。 なかでも川上弘美さんの書評は、朝日新聞社刊の川上さんの書評集『大好きな本』にも収録されています(同書144頁)。 ≪推薦の言葉≫ 芹沢俊介(せりざわ・しゅんすけ) 1942年、東京生まれ。主に教育・家族・子どもの問題について評論活動をおこなっている。著書に『殺し殺されることの彼方―少年犯罪ダイアローグ』『母という暴力』『子どもたちはなぜ暴力に走るのか』『現代〈子ども〉暴力論』『引きこもるという情熱』など多数。 『 高貴な魂は修羅の意識を食べて大きくなる――こうした凛とした哲学に支えられて清水さんが言葉を紡ぐ。紡いだ言葉の糸の先に触れ、自分が生まれてここにあることの意味が動き出す。心と体の全細胞が、作品と一緒になって、内側からいのちを発光するのを感じる。自分という人間が自分を超えていく存在であるということを喜びとともに知るのである。』 宮崎吾朗(みやざき・ごろう) 1967年、東京生まれ。三鷹の森ジブリ美術館の総合デザインを手がけ、館長に就任。2004年度に芸術選奨文部科学大臣新人賞芸術振興部門を受賞。2006年に映画『ゲド戦記』の監督を務めるとともに、挿入歌「テルーの唄」の作詞もおこなう。 『 ひと仕事終わって呆然としていた夏休みに、ひさしぶりに本を読もうと思って図書館に行きました。しばらく書架の間をうろつきましたが、どの本にも手が伸びません。大人のための本をまじめに読むほどには気力が回復していないのでした。足が向いたのは児童書が並んでいる書架です。児童書なら読めるだろうと思ったのでした。その日はいくつかの本を借りて帰りました。 何気なく借りたのはカニグズバーグの本でした。家出をした姉弟、ホットドッグ売りの伯母と少女、天才画家と少年。そうしたお話を読みながら妙に子ども時代のことを思い出し、そして読み終わったあとに、人生は、この世界は捨てたものじゃないのだと改めて思ったのです。 いま思えば、そのときの私は丸まったハリネズミのような気分でいたのです。周囲に向かって針を突き出して、目をつぶってぎゅっと硬くなっている気持ちです。そんな私に向かってカニグズバーグの本は、顔を上げて周りをよく見てご覧なさい、といってくれたのでした。この歳になっても児童書に助けられることがあるなんて、それまで思ってもみませんでした。 こうした児童書がもつ豊かな世界への扉を、清水さんはこんな素晴らしいかたちで本にしてくださいました。いまのようななにが大切なのかがわからなくなってしまった時代に、私たち大人にとって必要なことは、忘れてしまった児童書にもう一度戻ることのように思います。たくさんの人が、清水さんが指し示してくれた大きな扉を開けてくれることを期待しています。』 |






